2017/09/22

Debian8でCommon Lisp

久々のDebian話題です。
bxbt-2807機(OSはDebian8)にフリーのCommon Lispをインストしてみました。

システム → システム管理 → Synaptic パッケージマネジャー と選択
左のセクションのところで「,Lisp Programming Language を選択
パッケージは,sbcl と slime を選択

起動は、 GNOME端末で.
kimiko@bxbt:~$ sbcl



「マンティックダイアリー」の以下の記事を参照させていただきました。
http://blog.livedoor.jp/s-koide/archives/1892996.html 

2017/05/29

豊洲市場・土壌汚染対策等に関する公開質問状

2017年5月29日に、豊洲土壌汚染に関する公開質問状が各務氏らより東京都中央卸売市場部へ提出されました。 各務氏からのご依頼により、その全文を以下に記載いたします。

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                              2017年5月29日

豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議
平田 健正 座長 様

          各務裕史(元岡山県農林水産総合センター農業研究所副所長)
         ◯畑明郎(日本環境学会元会長)、水谷和子(一級建築士)、
          坂巻幸雄(日本環境学会元副会長) [◯印は連絡代表者]



              [公開質問状]

「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」での計算間違いに基づく
    地上部分の安全性評価錯誤の是正など4項目の疑義に関するご質問

 貴職におかれましては、豊洲市場の環境に関する諸問題に取り組まれ、都民と市場で働かれる方々の安全と安心を求めて鋭意検討いただき、とくに、市場関係者に寄り添い疑問や要望を丁寧に時間をかけてお聞きいただき、お答えを下さる姿勢に深く感謝しております。

 さて、豊洲市場におきましては、汚染残置が明らかになるとともに、地下水位も3月末から上昇を続けており、移転後の食品と労働環境悪化が懸念されます。
現在進められている専門家会議では、汚染の実態を明らかにし安全のための対策案をお示し頂いた段階と存じますが、計算間違いや事実誤認に基づいた地上部分は安全とする拙速な判断が流布されていることへの疑念と、先々の市場運営や市場で業務に当たる方々、市場を訪れる方々、市場の品を利用する全国のユーザーの健康への影響と不安が心配されます。

 つきましては、下記質問への対応をご検討のうえ1~2週間以内に文書にてご回答いただきたく存じますのでよろしくお願いいたします。


1.地下ピット空気ベンゼン濃度の計算間違いに基づく地上部分の安全性評価錯誤
  の是正

 2017年1月14日の第4回専門家会議において、「地下水が環境基準を超えたことが都民の食の安全へ及ぼす影響を聞きたい」という質問者の問いに対し平田座長の回答は、
「前の専門家会議のときでも問題になりましたのは、では、土壌に触れても大丈夫だと。地下水は使わないから大丈夫だと。でも、揮発性物質は気化してくるじゃないかということだと思うんです。では、どの程度のものが気化をしてくるのかということを前のときは計算したんです。そういたしますと、地下水、ベンゼンでいきますと、1ppmですよね。環境基準の100倍ぐらいの濃度であっても十分に環境基準は満たせるということ。お魚あるいは野菜の表面についている水にくっつくベンゼンの濃度というのは、それよりもさらに100分の1ぐらい小さいということで、まず安全に間違いないということを結論として申し上げたんです。 そういう意味では、食の安全という意味で言いますと、この汚染であっても、私はそんなに大きな問題があるというふうには考えてございません。」
でした。

 要約すると、環境基準の100倍のベンゼンを含む地下水があっても地上に揮発する量は空気の環境基準以下であるので問題ないとの認識を示しています。しかし、これには大きな間違いがあって計算数値は4.5mの盛り土を前提としたものであり、盛り土がない場合には地下ピットは基準値の7万5000倍の濃度になります。これは明らかに大きな事実誤認です。

 100倍の汚染地下水は全体で平均化され、これが10分の1(排水基準相当)に、または100分の1程度に希釈されて地下水環境基準になったとしても、ベンゼンが気化しやすいことと、大気からの摂取が多い(1日当たり水は2L飲用、大気は15m3呼吸)ため大気環境基準は厳しく設定されていることから地下ピットの大気は、環境基準の7,500倍または750倍と非常に高い値になります。


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            注:地下ピットの空気中ベンゼン濃度の推定方法

   盛り土のない地下ピットでは地下水が表面又は砕石層中にあり、空気中のベ
   ンゼン濃度は地下水と気液平衡状態になる。その濃度は以下の計算より求む。
   水分中濃度(mg/L)=地上空気中濃度(mg/m3 )/ヘンリー定数/1000
   地上空気中濃度=水分中濃度×ヘンリー定数×1000
   平田座長が述べた計算例では、水分中濃度が1ppm=1mg/Lに設定され、
   ベンゼンのヘンリー定数は0.227であるので、
   地上空気中濃度=1×0.227×1000=227mg/m3
   空気中ベンゼンの環境基準は0.003mg/m3であるので、
   倍率は227/0.003=75,666倍となる。
         (注:専門家会議報告書資料7の8頁、式11より求む)
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 市場1階は地下ピットと床コンクリートで隔てられているため1階は安全と見る考え方もあり、現に12月22日の1階空気中ベンゼン濃度は基準以下となっております。しかし、委員も認めているとおりコンクリートは劣化で微細なひびや亀裂が発生するものであり、いずれ高濃度ベンゼン空気が1階に侵入すると考えなければなりません。このことに関して都が2015年3月に日水コンに報告させた『豊洲新市場事業における地下水管理システムに関する施設等修正報告書』において、床下空間の土壌充填の有無による大気暴露を検討し、ベンゼンが床コンクリートの隙間や亀裂から建物内に侵入して人の健康や生鮮食料品へ及ぼす影響を評価しています。評価は前の専門家会議で適用されたリスク評価モデルを用いて行なっています。

 その結果、表1モデル2のように10万人に1人の発がんリスクにおける許容地下水環境基準倍率は約11倍となっています。しかし、このモデルは砕石を盛り土とみなして土壌の物性値を当てはめ、一方で毛管帯幅は盛り土下部の10cmに限定するというちぐはぐなものとなっています。

 そこで、実際の砕石によるモデルで地下水位がAP2.0mとして計算するとモデル3のとおり許容地下水環境基準倍率は0.8倍となり、厳しく管理する必要があることが分かります。さらに、6街区などの地下水位がAP2.5mで計算するとモデル4のとおり基準の0.1倍で管理しなければならない極めて厳しい事態が想定される訳で、その点からも地下水位を下げなければならないという訳です。

一方、実際にすべて毛細管水を含む50cmの盛土がある場合には、拡散が強く抑制されるため許容地下水環境基準倍率は42倍となり、濃い地下水でも地上は安全になるという盛土の力が改めて認識できる訳であります。

 この報告書においても明らかなように都は地下空間のベンゼンが床コンクリートを透過して地上に危険を及ぼす可能性を認識してはいるものの、1階大気中ベンゼン濃度を大幅に低く見積もり、安全への配慮が十分とは言えない結果となっていると考えますがいかがでしょうか。

 専門家会議では審議されていないものの対策案を提示されましたが、汚染が土壌にも残っているのかどうか、その規模はどれ程か、汚染の場所、深さなどを明らかにすることもなく対策を考えるのはいかがなものでしょうか。また、前述しましたように専門家会議の盛り土がない場合の地上部ベンゼン濃度の大幅な認識間違いに加え、実態を明らかにせずして対策を考え、しかも最終的な効果確認を経ずして地上は安全との判断はいかにも杜撰で拙速と言わざるを得ませんがいかがでしょうか。

 なお、現時点で地下ピットの空気ベンゼン濃度が低いのは、ベンゼンが地下深くに存在するためであり、そのベンゼンは長期間を経て拡散し表層付近に上昇するものと考えています。



参考:水銀の地下水許容濃度の試算について

 地上における水銀濃度に及ぼす盛り土の効果を検討するため3種のモデルにより人の健康リスクからみた許容地下水環境基準倍率を試算した。

 その結果、水銀の場合には換気と盛り土があれば地下水濃度は環境基準の558倍まで許容できるが、換気があっても盛り土がないと地上の濃度は高くなり、地下水濃度は環境基準の6%以下までしか許容できない値となった。

 現況の6街区ピット条件に近いモデルでは、地下水濃度は環境基準の2%以下までしか許容できない値となった。

 水銀においても盛り土の高い遮蔽効果が伺われ、盛り土がない条件では、地下水は環境基準よりはるかに低い濃度に管理する必要がある。




2.今後の地下水位予測

 測所の値を用い、地下水位は都公表21地点の値を平均して市場全体の地下水位の値としました。

 豊洲市場には、過剰な地下水を汲み上げて排水することにより、計画水位であるAP1.8mに維持する地下水管理システムが構築されています。

 このシステムの目的としては、東京都が作成した地下水管理システム条件設定理由書には、
「万が一、当該システムが機能しなければ、汚染地下水の上昇や地震時の液状化に伴い、汚染が地表面へ噴出すること等が懸念され、市場の安全・安心が確保できない」
と記され、地上の汚染を防ぐ重要なシステムであると位置付けられています。

 しかし、地下水管理システムは2016年10月14日から本格稼働を開始しましたが、稼働開始から乾期を含む6カ月以上が経過してもなお、計画水位には市場全体平均で1m以上も到達しておらず、現在では降雨が増えるとともに上昇中であります。

 地下水位は雨による上部からの水の供給に対し緑地からの蒸発散および揚水と漏水とによる排水量との駆け引きで決まる比較的分かりやすい物理量であることから降水量を推定すれば将来の水位も容易に予測できるものであります。ただし、緑地からの蒸発散は主に表層の土壌水分の減少に寄与するけれども、地下水位への影響は無視できる量であると考えました。予測モデルは、地下水位の日々の変動量を目的変数とし、降水量、地下水位、地下水位2乗値を説明変数とし、10月4日から12月2日までのデータを用いて回帰分析を行い次の重回帰式を得ました。なお、雨量は江戸川臨海観測所の値を用い、地下水位は都公表21地点の値を平均して市場全体の地下水位の値としました。

水位の日変化(m)=-0.105+0.0852×前日水位(m)-0.01869×前日水位の2乗値
+0.00717×雨量(mm)  R2=0.81

 10月3日の地下水位を初期値とし江戸川臨海観測所雨量のみを毎日入力することで、予測地下水位を求め実測値とともに経時的に図1に示しました。


         図1 豊洲市場地下水位の実測値と予測値の推移

 地下水位の予測値は実績値と極似通った変動を示し、この予測式を適用して将来の地下水位を推定できると考えられます。

 そこで、4月26日までは実績雨量を、その後は平年雨量を代入して2017年11月1日までの予測を試みた結果は、図2のようになります。

 この予測によると地下水位は、季節的な雨量の多少に基づいて上下しながら次第に上昇し10月中旬ごろにAP3.7mに達するものと予想されます。

 とくに、建物外部の盛り土のある敷地では、計画では地下水の地表部への浸透上昇を防ぐため毛細管を遮断する砕石層をわざわざ設けているにもかかわらず、現状では常に盛り土が汚染地下水に浸されていて再汚染が懸念される状況にある訳で速やかな対策が必要です。


            図2 豊洲市場地下水位の将来予測
       注:江戸川臨海観測所の平年雨量を予測式に代入して求めた

 なお、この予測は昨年12月にはできており、計画水位には下がらない可能性が高いことを情報として都にお伝えしましたが、都は2回目から5回目までの専門家会議では常に「地下水は順調に低下している」との誤った認識を示し、適切な対策を取り損なったことは誠に残念としか思えません。



3.モニタリング値への揚水の影響考察における誤認

 2年間に9回実施した地下水モニタリングの汚染濃度が9回目に飛び抜けて高い値を示しました。その原因として専門家会議が上げた最有力のものは、「10月ぐらいから本格稼働し始めて、地下水流動、それから圧力的な差ができていって、その粘性土の中から少しずつ出ているんじゃないか(第5回専門家会議)」と指摘されていますが、これには次の疑問があります。

①揚水井戸が地下水に及ぼす影響の範囲はごく狭い

 豊洲市場帯水層の土壌透水係数を10-4乗、揚水井戸内外の水位差1.5m(水位がAP3m相当)、井戸半径0.25m、被圧帯水層5m、定数3,000と設定し、下に示した図書の方法に基づいて計算すると影響半径は4.5m、排水量は1基当たり1.41t/日、市場全体では81.7t/日と推定され、現状の地下水管理システムの実績に近い数値となります。
(http://www.mizukae.com/benkyokai/_src/sc645/huatudw01.pdf)
以上のことから、透水性の低い帯水層に井戸を設けて排水を図っても、排水量はごく少なくその影響範囲はごく狭いと考えるのが妥当です。

②建物下のモニタリング用井戸への揚水の影響は皆無に近い

 揚水の影響は井戸から数mのごく狭い範囲と考えられることから、揚水井戸がなく外部井戸から遠く離れた建物下のモニタリング用井戸への揚水の影響は皆無に近いと考えられます。

③外部より地下水位が低い建物下の地下水が外部の揚水井戸方面に移動することはない

 建物下の地下水位は概ね建物外部より低い(第5回専門家会議資料)ことから、たとえ外部で揚水を行なっても水頭に基づく水圧の低い建物内部地下から圧力の高い外部地下への地下水流動は起こり得ないと考えられます。

 以上のことから、9回目モニタリング値の急上昇の原因は揚水とは関係が薄いと考えられ、再採水の影響などと併せて、モニタリング当初から高い値が出ていた可能性も含めて予断のない慎重かつ厳密な検討をしていただきたいと考えます。



4.底設暗渠排水網の敷設を中心とした地下水管理の提案


 帯水層の透水係数公称値は公表されておりませんが、図3に示すように地下水位が一向に平準化されないこと、井戸への集水が少ないことなどから透水性がかなり劣っていて係数は10-4乗程度と推定されます。質問項目3において検討したように、透水性が劣り集水範囲の狭いこのような土壌では、井戸を用いた排水法は適用すべきではありません。

 しかし、専門家会議の対策案は井戸の改修や増設などを中心としたものであって、どれも大きな効果が見込めるものではなく、ここにおいても原因を調べずして作られた対策であるために見当違いとなっていると言わざるを得ません。

 湧水量は水頭差と湧水面の広さ(井戸表面積)に比例しますが、井戸は今でも有楽町層付近にまで掘削されていてこれ以上に深くすることは困難です。そこで、湧水面を広げられる工法として底設暗渠による排水促進を提案します。帯水層が透水係数で10-4乗程度の透水不良層であって揚水の影響半径が数mに止まることを考慮すると間隔は10m、深さは主な汚染残置部直下とする底設暗渠排水網の構築が必要と考えます。設置場所は建物外敷地とし、建物直下は雨水の供給がないため敷設は不要で、現在継続している強制排水で対応します。併せて雨水の透過を抑えるために緑地の舗装も必要です。

 底設暗渠工事は、6~8mの深さで勾配をつけながら延長で20km以上敷設するための深いトレンチを掘るという危険な大工事であり、20~25億円とされる井戸改修や増設よりも多額の工事費がかかり、維持管理費(年間3億円)も増えます。地下ピットの水銀等ガス侵入防止対策の工事費15~55億円や維持管理費(65年間)25~40億円も考慮すると、追加対策費用は最大120億円をはるかに超えるが、汚染を抱える排水不良地の地下水管理の重要性にかんがみ、困難ではあるが必要不可欠の対策であることは肝に銘じるべきです。



5.結論

 以上により、地下ピット内の汚染ガス対策と地下水位コントロールは、今回検証した問題をクリアしなければ抜本的な解決にはならないと確信します。一方、第6回専門家会議資料の[今後の対応策の具体的な検討状況](ただし審議未了)に今後の対策が示されています。これが十分な対策になっているかが問題となります。

 「地下ピットにおける水銀等ガス侵入防止対策(案)」(資料8-1)によれば、地下ピット内のガス侵入防止対策は、床面を遮蔽シートで覆うか、コンクリートの床を作ること、それに加え、強制換気を行うこととしています。現時点では5街区棟では砕石層が露出し、他の街区棟でも釜場として一部砕石層が剥き出しになっています。汚染物質を含んだ土壌粒子は地下水と共に出入りが自由な状態です。検証結果にあるように、ベンゼンや水銀の気化ガスが、かなり深刻な状態になることを考慮しなければなりません。提案されている床の対策は、地下4.5m~6mの土圧や水圧に耐える構造になっていません。また、地下ピット外周部は土留めのコンクリート擁壁に過ぎず、地下水の侵入を防ぐ遮水壁にはなっていませんから、気密性に問題が生じます。地下として耐える構造で、コンクリートの箱を作る必要があります。

 強制換気についてはこれまでのデータから、換気をすれば1階や外気、一部ピット内で空気の汚染濃度が高くなる現象が起きています。ピット内の気圧が下がることで、砕石層下からの汚染ガスの移流が進んでいることもうかがえます。強制換気という安易な結論は、再考されなければならないと考えます。

 [地下水管理システムの機能強化方法(案)]で示されている対策には、そもそも追加の強制揚水量の計算がされていませんし、対策の内容と規模、さらに工事費20~25億円の根拠が不明です。これまでの検証より、雨量の多い時期の一日の必要揚水量は600㎥、現時点の揚水量は60㎥ですから、現在の揚水井戸58本分の10倍の揚水量、つまり580本の揚水井戸を追加しなければなりません。

 汚染対策について、以上2点があげられていますが、土壌の残置汚染についての対策は明記されていません。第6回専門家会議のように、地下の対策で地上の汚染問題が解決できるような説明は、都民を愚弄するもので、できないのであればできないと明言すべきです。

 展望のない追加対策にこれ以上予算をつぎ込むよりも、豊洲移転をきっぱりとあきらめ、築地市場の再整備を目指すべきであります。

2017/05/12

築地市場の土壌汚染調査結果(5/11)

(1)表層50cmのガス調査結果が東京都より発表
(平成29年5月11日 中央卸売市場部)

築地市場において、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)に基づき、実施している土壌汚染状況調査のうち、土壌ガス調査の結果についてお知らせいたします。
第一種有害物質(計12種)※1について、 表層の土壌ガスを分析したところ、全111か所の調査箇所のうち、下記のとおり1か所において、ベンゼンが検出されました。
今後、この1か所の調査箇所について、詳細に土壌汚染状況を確定するため、ボーリング調査を速やかに実施し、適切に対応してまいります。
調査地点:G19-2  ベンゼン:0.16volppm(定量下限値 0.05volppm)

(引用)http://www.shijou.metro.tokyo.jp/press/2017/0511.html
(画像)https://twitter.com/nakazawa_mama2/status/862615386444898304
(中澤氏ツイッターより)

そもそも、土壌汚染調査は以下に示すような順序で行われ、今回発表になったのは2)のうちのガス調査で、おなじく表層土壌調査結果はもう少しあとになると思われます。
1)地歴調査
2)表層土調査
3)絞り込み調査・個別調査
4)詳細調査
5)地下水汚染調査
6)土壌汚染除去工事の実施
7)地下水モニタリング
各ステップで汚染が検出されなければ、その時点で完了。
(出典)http://www.georhizome.co.jp/flow.html 「ジオリゾーム社 土壌汚染調査の流れ」

おそらく今回は、過去の増築工事のときの手続き未了のエリア中心になっているみたいですね。
なお、クリーニング工場のテトラクロロエチレンのタンクは地図のマス目のD・E/13・14のあたりとのこと。
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/862622786920914944

【結果の考察】

1)検出されたのがベンゼン
地歴調査ではGHQクリーニング工場跡からのトリクロロエチレンとテトラクロロエチレンなどの検出が予想されていましたが、それらは検出されずに、まったく予想外の物質が検出されたことになる。

2)大気汚染基準と比較
0.16volppmだから1リットル中に0.16*10^-6L
ベンゼンの蒸気比重は2.7で空気は1.3g/Lだから、ベンゼンは3.5g/L。
ということで、0.16volppmだと3.5*0.16*10^-6 = 5.6*10^-6 g/L = 0.0056mg/L
大気中のベンゼン濃度の基準は年平均で0.003mg/立法方メートル = 0.000003mg/L

従って大気汚染濃度比=5600/3=1870倍となり、周辺の車排気ガス影響よりは相当高い。
(出典 渡辺氏ツイッター)
https://twitter.com/litulon/status/862671619906445312

3)水谷氏のコメント
皆様お世話さまです
築地のベンゼン表層ガス調査のデータが届きました。
111区画で調査の結果1ケ所で検出。0.16ppm。
同じような調査を豊洲でもやっています。表層ガス調査で88区画で検出。最大4.7ppmです。

豊洲では別に表層ガス調査に代わる地下水調査もやっており、526区画で基準を超過して検出。
最大10000倍。結果、579区画がベンゼン汚染区画となります。
ベンゼンの概況調査は原則表層ガス調査ですが、地下水によってガス調査ができなかった場合、地下水調査に代えることができます。
(出典)
https://twitter.com/a_la_clef/status/862804982688395265
https://twitter.com/a_la_clef/status/862805297424814080




2017/02/28

日建設計の施行令第88条地震力算出瑕疵疑惑 ==高野氏意見書(推定版)

2月27日に高野氏からPTへ提出された意見書について、2月28日にツイットされていたのをまとめてみた。必要部分には出典URLを添付しているので、正確にはそちらを参照されたし。
(次回のPTで紹介・議論されると推定され、論議内容を理解しやすくする目的のもので、正式資料がアップされるまでの暫定版です)


【豊洲市場】まとめ(結論)

(1)日建設計の設定は「周辺の地盤の拘束は期待しない」
(2)ピット躯体と周辺の地盤の接触する面積の比率は75%を満足しない。故に形式的に地下とみなせない。
(3)5層モーダルの結果から、ピット部地震力は震度0.1よりも大きい状態である。
(4)4層モーダルのモデルは実際の物理的存在としては意味をなさない。
(5)令第88条2 標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。
(6)「建築物の構造関係技術基準解説書」のP.308の解説 「Aiは、・・・、Aiは、各次振動モードの寄与分を二乗和の平方根によって求めるモーダルアナリシスに従って計算しても良い。この場合、Aiの値としてA1=1になるよう基準化する必要があり・・・

以上のことから、基礎梁レベルでの水平拘束がないのであるから、形式的にも、実際の振動性を加味したモーダルアナリシスからも、また法の要請からも、豊洲市場の建築については、ピット層の層せん断力係数は0.2を基本とすることになる。

https://twitter.com/a_la_clef/status/836364736128131072
https://twitter.com/a_la_clef/status/836366045984104448
https://twitter.com/a_la_clef/status/836366157464555530
https://twitter.com/a_la_clef/status/836366294001709056


==以下に意見書の詳細==

『地下の判定』

この検討においては、ターレ連絡通路部等のBW符号の地下壁はフーチングに絡んでいるので拘束面に繰り入れ、RW符号の擁壁区間のみ「空隙」として扱っています。また建物本体外周基礎梁の側面と擁壁間のポリスチレン板の幅は500mm程度ですが、森高委員(および日建側)の想定に有利なように、拘束面を「多め」に算入できるよう梁下端から砕石層までの「空き」部分で判断することにしました。

日建設計の作図でもわかるとおり、4mの土に接しているのは構造的には別物である擁壁の外部であって、建物本体に対しては土に変わるものとして拘束出来る物体はポリスチレン板しかありません。空気では拘束出来ません。「建築物の構造関係技術基準解説書」のP.297(建築基準法施行令第88条)にも解説があるとおり、75%以上として算入するのは「地盤に接する部分」です。空気は含まれません。

この正しい認識に基づけば、私の試算では、およそ55%程度です。31~33軸側に少し深い水槽部があり、またフーチングの側面にも多少の土の回り込みがあるようですが、それを考慮しても60%を越えることにはならないと思われます。

5mの内4mが埋まっているからという説明は、明らかに成立しません。以上より「形式において」まず地下の要件を満たさないと考えます。



https://twitter.com/a_la_clef/status/836357612182478849
https://twitter.com/a_la_clef/status/836357703542824961
https://twitter.com/a_la_clef/status/836357788477472769
https://twitter.com/a_la_clef/status/836357884791291905
https://twitter.com/a_la_clef/status/836357936007913472


『地下の震度』

5層モデルでも1階層せん断力係数が0.2であるとして、上部構造とピット層(1階床より下)の重量の関係から逆算してみました。 グラフでは1階の地震力とピット層の地震力の比はおよそ1.63と読み取れます。



ただしこのグラフが建物全体であるのか、エキスパンで切り分割した1つのゾーンでの結果なのかが判然としないので、「全体」によるものと、私が入手出来ている「Lゾーン」の重量での2ケースで検討しました。

「全体」での検討・・・・・地下震度=0.113相当 「Lゾーン」での検討・・・地下震度=0.136相当 ※地下震度をα、1階の層せん断力係数を0.2とすれば、グラフから次の関係 0.2×(1~5階の重量):[0.2×(1~5階の重量)+α×(ピット層の重量)]=1:1.63

全体での数値が低いのは相対的に重量の小さな「東ランプ」を含むため、Lゾーンでの数値が大きいのはゾーン境界部の重量を重複分多めにとっているからと推察されます。 いずれにせよモーダルアナリシスでの精算結果は「ピット層の震度は0.1よりは大きい」ことになっていそうです。

また、日建設計主張のように「剛性が高いゆえに地下震度が0.1でよい」というのであれば、そのグラフは私が加筆したような「緑色のライン」になるのではないでしょうか? この矛盾が何故起きるのかを、小島座長はPTとして確認する義務があると思います。

https://twitter.com/a_la_clef/status/836359403142000641
https://twitter.com/a_la_clef/status/836359486189137924
https://twitter.com/a_la_clef/status/836359742201044992
https://twitter.com/a_la_clef/status/836359846601486336
https://twitter.com/a_la_clef/status/836360108011470848


『杭の断面算定(押えコン増)』

結論から述べると、押えコン重量の間違えを補正すると、一次設計における地震時応力に対する検討で、一番検定比の厳しかった杭P603は目標値の1.00を少しだけオーバーするようです。ただし、有効数字を考えれば、このこと自体はさほど目くじら立てることでもないかとは思います。まさか、この検定値をクリアするために押えコン重量を操作したわけではないだろう、と思いますので。



ただ、この施設では重要度係数が1.25とされていることを考えれば、杭の一次設計の検定値は1.00/1.25=0.80以内に抑えるのが望ましかったのでは?と思われます。その意味では元の設計内容が、本当にあれで良かったのか?という感想です。

https://twitter.com/a_la_clef/status/836361584251318273
https://twitter.com/a_la_clef/status/836361701620510724
https://twitter.com/a_la_clef/status/836361728703131648


『杭の断面算定(地下震度の補正)』

・・・すなわちピット層の地震力が増大するわけですから、その影響は杭の検討にも及びます。そこで全体重量での推定地下震度0.113と一般的なベースシェア0.2の2ケースで試算してみました。


一次設計の検定値が1.00を越える・・・ ・・・あまり堅牢ではない豊洲の地盤特性を考えると、地盤の変形と杭の応力は、非線形な増加で比例計算以上の結果となる可能性があります。時松PT委員に、この点を検証していただければ、皆安心すると思います。

https://twitter.com/a_la_clef/status/836362247706296323
https://twitter.com/a_la_clef/status/836362661281439746


『日建モーダルのモデル』

日建設計は「周辺の地盤の拘束は期待しない」と明言されています。これを素直に理解すれば、基礎梁中心レベルでの境界条件はフリーです。すると4層モーダルアナリシスのモデル化に疑問がでてきます。


図では、あたかも基礎梁(1階床)層で起震/入力されるような表現になっています。しかし実際の物理的な存在としては、基礎梁レベルの境界条件がフリー、かつピット内部も空洞で力の伝達出来るものが何も存在しない、であるならば、フーチング下面からの起震しかあり得ないのではないでしょうか?

すると必然的に5層モデルでの検討ということになります。

https://twitter.com/a_la_clef/status/836363981023371266
https://twitter.com/a_la_clef/status/836364047973027840








2017/02/25

豊洲市場は用途係数で都条例違反?・市場として使用不可能では?

(1)条例根拠

日建設計の構造計算に、『建築基準法施行令88条地震力算定の瑕疵疑惑』が豊洲市場問題PTで継続審議になっているにもかかわらず、都の建築主事は検査済証を12月28日に発行した。これは確認申請(計画通知)とおり完成したことを証明するもので、これで建物として使用しても問題なしとするものである。

しかし、豊洲市場は、東京都震災対策条例で指定された重要な建物=中央卸売市場に該当し、建築基準法以上の耐震性を求められている。

東京都震災対策条例
(重要建築物の耐震性等の強化)
第十七条 知事は、次に掲げる防災対策上特に重要な建築物について、耐震性及び耐火性の強化に努め、又は当事者をして努めさせなければならない。
一 震災時に消火、避難誘導及び情報伝達等の防災業務の中心となる消防署、警察署その他の官公庁建築物
二 震災時に緊急の救護所又は被災者の一時受入施設となる病院、学校その他これらに準ずる建築物
(出典)http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010173001.html

東京都震災対策条例施行規則
(重要建築物の種類)
第八条 条例第十七条第一号のその他の官公庁建築物は、次に掲げるものとする。
一 消防署、警察署、都の本庁舎、地域防災センター及び防災通信施設
二 建設事務所、東京港建設事務所、東京港管理事務所及び空港管理事務所
三 治水事務所
四 都立葬儀所
五 保健所、浄水場、給水所及び下水処理場
六 防災備蓄倉庫及び中央卸売市場
七 災害対策住宅及び職務住宅
(出典)http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010174001.html

東京都の構造設計指針(財務局)で、上記の都立公共建築重要な建物の用途係数(設計上の安全係数)は1.25と定められている。
5.1.2 用途係数
(1)東京都震災対策条例第17条に基づく建築物や多数の者が利用する建築物など、防災上の重要度に応じて、以下により用途係数を適用する。
(2) 用途係数は表5.1の分類による。

(出典)http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/kentikuhozen/kouzousekkeisisin.pdf



(2)杭の検定比

構造計算における杭の検定比とは、(地震時に杭にかかる計算負荷/杭に許容できる負荷規定値)を意味しており、検定比が1.00以下なら建築基準法で安全に設計された杭であると認定される。

ところが上記(1)で述べたように、重要建築物に指定された公共建築物は、建築基準法以上の強度・耐震性がもとめられ、用途係数1.25とは、建築基準法の1.25倍の耐震強度が求められることを示している。

したがって、杭の検定比=1/1.25=0.8以下が必要になる。

なお、杭の検定は構造計算において使用している各杭ごとにその負荷計算結果表示ページの右下部分に表示されている。下図はその一例で検定比は0.97を示している。



(3)豊洲市場の杭の検定比は、卸売市場としては不合格

豊洲市場の場合、日建設計の構造計算では、6街区水産仲卸棟の杭は検定比0.86~1.00である。よって現状の豊洲市場は東京都震災対策条例施行規則第八条に定める重要建築物とは指定できず、市場として使用するには大いに疑問がある。
(民間の一般建築物としての使用は可能)

高野氏が情報開示請求で取得された構造計算書における、杭の検定比が大きなことを示す画像を添付する。(6街区水産仲卸棟・4枚)
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/804835946260668416







(4)用途係数は『杭』に適用される根拠の追記

ネットで『用途係数1.25を杭にも適用するとは、東京都構造設計指針に明文化されていない』との指摘があった。


そこできっちりと明文化されている静岡県の事例を、同県の設計指針で示す。
(出典)静岡県・建築構造設計指針
http://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-320/kensasitu/documents/kouzou_sisin2014honbun.pdf

2.5.1 構造計算における地震力

なお、Zsは2.5.2項で「1.2以上」と規定されている。

2.5.3 用途係数(I)

2.5.4 地下部分の地震荷重
7.3 杭の設計
7.3.3水平力に対する検討

以上に示されるごとく、杭の設計検討における地震力には、明らかに用途係数を加味した地震力を用いるように規定されている。


これらの安全設計思想観点からも明らかなように、用途係数は建築基準法で定められた耐震強度に対する安全係数と見なすべきもので、建物だけでなく杭にも適用されるべきものである。

東京都の場合は杭への地震力に用途係数を加味していないので、構造計算における杭の耐力判定は、検定比で1/1.25=0.8以下を確保しなければならないことになる。

他府県と比較して、『人口密集地・東京都公共建築物の杭』が耐震性で劣っていても構わないという論理は絶対に成立しえないものである。

したがって『東京都構造設計指針に明文化されていない』は詭弁を弄して耐震強度不足の杭を公共重要建築物に使用することになり、他府県の条例と比較しても、都条例違犯疑惑は明らかになる。


なお、都が発行した公文書『新市場建設懇談会資料11頁(平成24年8月)』にも、以下の記載がある、
『耐震性能 大地震後でも市場機能を意地するため、建築基準法で規定される主要構造体の耐力を1.25倍に割増し、より高い耐震性能を確保する。』
ここで言う主要構造体とは、梁・柱・基礎であり、当然『基礎杭』にはこれが適用される。
(出典)http://www.ab.auone-net.jp/~ss950204/toyosu_houkoku.pdf






(5)用途係数に関する東京都都市整備局の見解【用途係数は施主が判断する】

豊洲市場仲卸棟の『抑えコン1cm変更の確認申請問題』で、各務氏が建築指導課構造担当〇川氏に問い合わせ、回答を得た内容を以下に示す。
(5月8日)
建築指導課構造担当〇川氏に5時過ぎてしびれ切らして再電話 当初の書面審査においては都の見落とし 次の書面審査はERI,最終現場検査は都が実施し、その担当は転勤 杭の資料は倉庫にあり明日中には再返答との事です
(出典)https://twitter.com/kuninosaiseiwo/status/861509259346886656

(5月9日)
建築指導課:
①杭の検定比は0.86~1.00で間違いない 4階で1200tオーバーしたが、同重量をどこかで削って建築したと聞いている
②従って改めて杭検定はしていない
③用途係数は建築確認とは関係が無い
 あくまで「建築基準法」への適合をのみを判断した 用途係数は施主が判断すること  以上
(出典)https://twitter.com/kuninosaiseiwo/status/861799883463733249
(出典)https://twitter.com/kuninosaiseiwo/status/861801380817666048

さて、都の職員・建築主事はこの問題をタライ回しにしたということか!

(添付は仲卸棟の検査済証の記載事項証明)
(出典)http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/37cef74b80114050b29acafcead84a94
    「豊洲新市場、検査済証2016/12/28発行を急いだわけは?(小坂区議ブログ)

2016/11/25

日建設計の施行令第88条地震力算出瑕疵疑惑

【豊洲市場・施行令88条瑕疵疑惑の要旨】

1)地下ピット部外周の土壌接触面積比は25%程度
2)日建設計は「土壌拘束は期待していない」と明言
3)1,2により、施行令第2条地盤面は地下ピット床面近傍
4)施行令第88条第4項で、基礎梁層の水平震度0.1は適用不可
5)同条第1項により基礎梁層の地震層せん断力係数は0.2
6)基礎梁層の地震力は2倍になり、地震力合計は約30%増加
7)よって杭の検定比は1.0を超えて耐震不足



(1)豊洲市場の現実構造は、計画通知の構造計算のモデルと異なっている

2回目のPT会議で、日建設計は周辺土壌による拘束は期待していないと認めて、構造計算通りの4階建てモデルと、現状に近い5階建てモデルを示している。
あわせて、5階建てモデルの正式な構造計算をする代わりにモーダル解析で、結果は同じと答弁した。いわく『5階建とみなした場合でも地上部の地震力はかわりません。』 これが意味する地上部とは4階建モデルでの2階、3階、4階の地震力のことを表現しており、1階床基礎部の地震力には一切触れないで済ましている。しかしその説明図は、周辺土壌擁壁と建物との間に存在する隙間が表現されていない。


隙間について述べられているのは別図で以下に示す。隙間は寸法記入がないが横の5m寸法から推定すると約25mmほどあり、そこには発泡ポリスチレンがつめられている。

(出典)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt02/04_1nikkennshiryou.pdf

上面図で建築物とは別の置物である『ピット壁』を称される置物と基礎梁とは柔らかい発泡ポリスチレンがつめられた隙間があり、基礎梁は周辺土壌とは接していない。 土壌と接しているのは基礎(フーチング)の1面だけで、これは建物外周の約25%程度しかない。したがって図中で『基礎ピット部は高さ5mのうち4m(4/5)が地中に埋まっており、法令上地上とはみなせません』とする日建設計の説明は詭弁と思われる。地上建造物か地下建造物かの判定は、建築基準法施行令第2条2項『高さの判定:地盤面』で法的に地盤を算出し、それを基準にして決定する必要がある。(後述)

なお注意すべきは、『土による拘束効果は前提としていません』と図中でのべていることである。

(2014.02.26追記)
上記日建設計作成の資料図に、高野氏が指摘されている部分を示した図を添付。
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835626097525977088



この基礎部の変位は、上記すきまと比較してずっと小さいので、もう少し図(下図の2枚目)で判りやすく加筆し土壌を除いたものを添付する。(右端図のみ加筆)

【(補足)基礎部の変位】日建設計資料では基礎底~基礎梁芯の間での変形は0.054cm(1/6750)になっている。このデーターは基礎部震度=0.1だと推定。


(出典)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt02/04_1nikkennshiryou.pdf


下図において、右端図(加筆部分)で、建物周辺土壌からの拘束がなく、建物は周囲地面より約4.5m低い窪地に建っており、現実的な地盤は地下空間の床面近辺になっているが、日建設計は周辺の無関係な地表面を地盤面としてモデルに使用した、すなわち1階床面付近を地盤としたモデルで構造計算をしていることになる。


(出典)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt02/04_1nikkennshiryou.pdf


建築基準法施行令第2条2項『高さの判定:地盤面』では、地盤面は以下のように定義されている。

「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

(出典)http://best.life.coocan.jp/k-rei/rei01/01/rei_002.html

これを判りやすく図示すると


(出典)http://www.iny.jp/regulation/cnstreg1_2.html

【結論】日建設計の構造計算モデルは地盤認定に瑕疵がある。法定上の地盤は日建設計モデルより約4.5m下の「地下空間」と称せられている部分の床近辺になる。(4)にも関連を記載。



(2)構造計算フロー

下図に東京都の構造設計指針(財務局)が示す構造計算のフローを示す。これは建築基準法第20条に定める構造計算の流れを、関連法規も含めて判りやすく表現したもの。

今回問題にしているのは、図中左側に赤丸で示した『荷重・外力』を求めて1次設計・チェックに反映させるところである。


(出典)http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/kentikuhozen/kouzousekkeisisin.pdf



(3)『荷重・外力』に含まれる『地震力』とは

「建築基準法施行令第88条 地震力」に示される。

1)建築物の地上部分の地震力については、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものとし、その数値は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に当該高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない。この場合において、地震層せん断力係数は、次の式によつて計算するものとする。

Ci=ZRtAiCo
Ci 建築物の地上部分の一定の高さにおける地震層せん断力係数
Z  その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の
状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣
が定める数値
Rt 建築物の振動特性を表すものとして、建築物の弾性域における固有周期
及び地盤の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Ai 建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分
布を表すものとして国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Co 標準せん断力係数

2)標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。(以下省略)
3)省略

4)建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に次の式に適合する水平震度を乗じて計算しなければならない。ただし、地震時における建築物の振動の性状を適切に評価して計算をすることができる場合においては、当該計算によることができる。

k≧0.1(1-H÷40)×Z
k 水平震度
H 建築物の地下部分の各部分の地盤面からの深さ(20を超えるときは20と
する。)(単位 m)
Z 第1項に規定するZの数値) 

(出典)http://best.life.coocan.jp/k-rei/rei03/08/02/rei_088.html



(4)日建設計の主張瑕疵

建物外周とは隙間のある周辺の無関係な地表を本建築物の地面と称し、1階と称する層および基礎部分は地下部分にあたるとし、上記(3)の4)記載で水平震度=0.1と主張。

しかし(1)の図に示とおり、実際の建物は右端図のように周囲から約4.5m低い地盤の窪地に建っており、地面は窪地の地盤面であることは明らかで、1階と称する層および基礎部は地盤面よりも約4.5mほど上にあり(3)の1)に示す地上部となるのは明らかで、せんだん力係数=0.2として構造計算すべきものとなる。

都は以下の時点で地盤面は地下ピット床面と認識している。(6)にも再掲載。
実施設計議事録2011年10月19日
『建物全体にわたって基礎梁を地盤より浮かせる計画は耐震上危険ではないか(都)』
『最初から路頭杭としての設計を行い、杭頭を補強すればよいと考えている。(設)』
(出典)http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/toyosu/siryou/pdf/team2_siryou04.pdf

よって日建設計の現状モデルおよび構造計算は現状建築物とは異なっており、建築基準法施工令2条および88条にも違反している疑義がある。、日建設計はこれに対して理論的な反証責任があると思われる。速やかにモデル変更と構造計算をやりなおすべきである。


なお、『地下室』『地階』という言葉に惑わされやすいが、これは建築基準法施行令第1条二に明快に定義されている。
第1条 用語の定義
二 地階 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいう。

(出典)http://best.life.coocan.jp/k-rei/rei01/01/rei_001.html

上記で注意すべきは『地盤面』が基準であり、前記(1)建築基準法施行令第2条2項で求められるもので、豊洲の場合は地下ピットと称せられる床面(砕石層の上面)になる。(前記(1)を参照のこと)


これに関連して、地下室の設計に関するHow-To記事があるが、そこに日建設計が主張しているk=0.1を裏付けるような記事がある。 しかし間違ってはいけない。 日建設計は下図左のモデルで0.1を主張しているが、それは建物外周が土壌を接しており、建物外周が土壌からの拘束を受けている場合に成立するもの。 豊洲の場合は建物外周と土壌との間に隙間があり、建物は周囲土壌の拘束をうけないので、地盤面はずっと下の床面近くとなり、下図右側のモデルになる。この場合は床面と地盤面がほぼ近い高さ付近になり、高さ方向の寸法記入H/3やH/2は無意味になる。(下図は記事中の説明図に土壌を判りやすく加筆したもの)


(出典)http://www.jsca.or.jp/bbs4/_Attaches/1_20110315084933.pdf



(5)杭も危ないのでは?

前述のごとく水平震度あるいはせん断力係数が増えてくると、杭にかかる地震力が増加する。 現状の構造計算でも、杭の検定では検定率1.00でギリギリOKのがたくさんある。以下は高野氏のTwitterから引用。

『ところで杭(総数661本)の断面算定(許容応力度による一次設計)においては、余裕度のない(検定率0.97以上)杭が約4割存在するが、中でも符号P603杭(61本)の検定率は「1.00」となっている。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/797574181797826561

『仲卸棟の計算書で一番苦労している杭、検定率1.00OKの杭は「P603」です。 1200Φ、QD=1136kN/本・・・全部で61本。 これがどこに配置されているか。 「左ブロック」は①~⑪通りまでです。 このブロックに「30本」配置されています。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/792526092858855424

モデル変更と構造計算をし直さなければ、施行令第88条違反の疑惑可能性あり。モデル変更と再計算を実施すれば、杭の検定でアウト。どっちにしても違法建築疑惑はぬぐえない。


【結論】
構造モデルを現実建築物にあわせ、水平震度・地震層せん断力係数を法令通りにして構造計算をやり直すと、検定率1.00をオーバーする危険な杭の比率がもっと増え、構造計算無視の違法建築と断定される可能性が非常に高いと思われる。



(6)他からも疑義情報が上がっている

時松PT委員の質問(第2回PT)
軟弱地盤で、最下層基礎部の地震力(赤色)が非常に大きい。しかも周辺埋め込み効果見ないから(添付右端図)フーチング下の杭のは大きく変形する。杭の耐震設計は大丈夫か?(図は1で提示したもの。原図から加筆あり)


日建設計の回答(時松委員へ)
『建物上部重量と基礎部と同じくらいの重量のため地震力が大きくなっており、土がある部分からの土の抵抗で基礎というか杭を設計をしている。』
なんかあわててるね? なぜ根拠・データーを示さないの?
http://kimikodover.blogspot.jp/2016/11/blog-post_25.html



実施設計議事録2011年10月19日
『建物全体にわたって基礎梁を地盤より浮かせる計画は耐震上危険ではないか(都)』
『最初から路頭杭としての設計を行い、杭頭を補強すればよいと考えている。(設)』
(出典)http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/toyosu/siryou/pdf/team2_siryou04.pdf

(注)都はこの時点で地盤面は地下ピット床面と認識している。

都は図面から『地盤面は地下空間の床面』と認識していたのに、建築主事はなぜ『図面とは異なるモデルと構造計算の計画通知を受理』したのか? 日建設計との共犯性ありの疑惑が生じる。



『緊急解説!!豊洲市場の構造設計に疑義アリ』(森山氏)記事でも、「構造計算で地盤面認定と構造計算モデルの瑕疵」が判りやすく指摘されている。 個人的にはaで1層追加の状態ではないかと推測しているが。。。。

(出典)http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12190835353.html



(7)第3回豊洲問題PT会議(2016年11月29日)で、日建設計の論理破綻部分がさらに露見

森高PT委員から、日建設計が作成した検討書が示された。しかしながら前回では『専門家同士で課題検討を進めて報告すべき』と決定されていたのに、森高委員と日建設計だけが相談して作成したもの。この中で前回では示されなかった以下に示す図が報告された。これは豊洲の建物の構造計算するときのモデル化で、左側は現在都へ提出された構造計算用のもの、右側はもっと正確にモデル化したものである。だが重大な作為が隠されていて、右側の図には地盤面が記入されていない。 そこで(1)で述べたように建築基準法施行令第2条2項『高さの判定:地盤面』で規定される地盤面などを赤色で加筆した。(Ai=1 として単純化表記)
(出典)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt03/06_datousei.pdf

地盤面層以外の各層はすべて地盤面より上にあり、各層に前記(3)で算出した地震層せん断力係数0.2に基づく地震力を印可すべきところだが、森高委員および日建設計は第1層目には従来と同じく0.1しか印可せずに解析を進め、『結果は従来と同じだ』と強弁した。これは0.2として構造計算をした場合に、地震力が増え基礎杭が検定比1.00を超過するものが多数出てしまうことを避ける目的であることは、明らかである。

都の資料原図に対し、高野氏が疑問をもっている日建設計主張などを追記した下図を以下に示す。
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/803260611979137029


座長は前回説明員の高野氏意見書を次の様に紹介『地盤による拘束は期待しないのなら地盤面はフーチングの下端もしくはもしくは砕石層上端付近になるのではないか』と。 これを受け森山委員が質問『地盤面は基礎下で、基礎部はひとつの層であり、ここが0.1は疑問あり』

日建設計の回答『基礎はほとんど土中である地下である(形状)。法律は形状と振動性状をで判断で0.1である』 この回答は建物外周が1/3しか土壌と接しておらず、また周囲土壌からの拘束力を期待しないとした前回PTとは形状で矛盾した回答をしていることになる。

また振動性状に関しては、国交省の管内営繕目的の建築構造設計基準27年度版の4.6.2にものべられている。
(出典)https://web.archive.org/web/20160415101921/http://www.mlit.go.jp/common/001108731.pdf

曰く『なお、地下部分とは、地階であるか否かにかかわらず、計算にあたって振動性状等を勘案して地下部分と見なすことができる部分である。』と。 
これは、『地階、地下』の名称にかかわらず、地下部の判定は振動性状を正しく判断し、安易に水平震度を0.2から0.1へ緩和することを避けせよ』との注意喚起である。これには周辺地盤が地震時に安定していることが前提となる。 特に周辺地盤に液状化が生じたり、柔らかい盛り土などではだめである。


豊洲の場合は、外周すき間や強度壁なしや埋戻の表層軟弱土壌のため、周辺土壌の拘束力はなく、振動性状から見ても構造計算では地下部分とはできない。 以下にこれを判りやすく表現した図を示す。


続いて日建設計の回答『第1層(基礎部)は非常に硬いのでほとんど変形せず、地下と見なしてもよい』は論理根拠のまったく無い回答である。硬ければ慣性の法則が半減するとは、非常識な回答である。

その後、森高委員は黄色本を持ち出し『この本には建物周囲が75%以上土壌接していれば、地下とみなしてよいと書いてある。日建設計の説明は合理的だ』と擁護論を展開。 しかしこれもウソで前述のように建物外周での土壌との接触部位は全周の1/3程度である。そして1/3接触している土壌も、軟弱な盛り土である。 そのため日建設計は第2回PTで『建築物周囲の土壌拘束力は見込んでいない』と説明している。 なぜ森高委員が間違った解釈で日建設計を擁護するのか疑惑が大きく残る。

(2017.02.26)追記
この外周接触面積比率を詳細に検討された高野氏の記事
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835613335299088384
豊洲市場6街区仲卸の地下になるかをチェックしました。 外周の基礎梁の下はアッパーパーなのでその欠損での判定です。 概ね55%程度です。必要は75%だからやっぱり全然です。 31~33軸に深い水槽ありますが、その周面を加算しても追っつきません。


森山専門委員
『わかりました。ただ、これは擁壁で建物が切れているので、私はまだ疑問が残っていますので、最終的な判断は、PTではなく建築主事の方に決めていただくべきだと思っています。』


さらに小島座長からの厳しい質問。
『私が少し気になったのは、高野さん提案の基礎ピットモデル――高野さんの主張は、地盤面はフーチングの下端もしくは砕石層の上端、ここを考えるのだと。ここが0.2でなければいけないとおっしゃっていて、そこを0.2にしても結果は変わらないという理解でよろしいですか。』


(以下に座長が引用した高野氏の意見書を示す。)
「地下部分(地下震度)」の扱いに関して

建築基準法施行令88条(地震力)の第1項において、「地上部分の地震力の計算方法」を定めているが、ここでいう「地上部分」とは通常は「地階を除いた部分」であるが、施行令第1条第2号の「地階」に該当するか否かにかかわらず、振動性状として本条に規定する地震力が作用するとみなせるかどうかで判断する必要がある、とされている。

さて第2回PTでは、日建設計は構造解析上の計算条件として、AP+6.5mの設計GL近傍での「地盤による拘束は期待しない」との見解を示された。それを前提とするならば、構造的には鉛直力も水平力も杭頭で支持されることになるのであるから、「地盤面」はフーチング下端(AP+2.0m)もしくは砕石層の上端(AP+2.5m)に設定することになる。
(この点で、手続き的には構造解析モデルの大幅な変更であるから、元の計算書を活かせるとしても追加説明書が求められるような、本来は計画変更に相当する内容と思われる。)

ここで名称が「基礎ピット」であるかとは関係なく、この部位も「地盤より上に」存在する構造物であるので、第88条第1項を普通に素直に解釈するならば、「地上部分」の地震力が適用されるのであるから、標準せん断力係数(Co)は一次設計においてCo=0.2としなければならない。 またモーダルアナリシスによる精算でAiを設定する場合においても、地上部の最下層は(As-1判読不明)になるように標準化する必要があるとされている。

ここで「基礎ピット層の剛性が極めて高い」との見解が示されているが、元の日建設計の杭の計算書(地下震度k=0.1)は杭が地盤を押して2cmを超える水平変位となっていることから、地盤に対して「基礎ピット」層も慣性力に応じて大きな変位を生じることになる。(この層を人工地盤的に扱うとしても、基本的にはCo=0.2であることに変わりはない。)

ところが日建設計の設計では、この層の地震力算出において根拠なく「地下震度k=0.1」を適用している。この点、地震力の設定において施行令の考え方を大きく逸脱している。

さて、ここで単純計算の試算をすると「基礎ピット」層の地震力は
(0.2-0.1)x2,327,080kN=232,708kNの増加、すなわち杭検討用の地震力は
651,817kN+232,708kN=884,525kNなので、884,525/651,817=1.35倍となる。
これだけの増大になるのであるから、前述「1」での日建設計の杭検定は、すべて「不可」となることが予想される。
(なお、第2回PTでの日建設計の資料は、建築的な高さ算出の説明にはなっていても、構造モデルの高さ設定の根拠にはなっていない。)
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/803350119982563328


日建設計の回答
『いえ、そこは違っていまして、高野さんは、フーチング下端を地盤面だから1階にするべきだという議論ですが、例えば、地下があって、地下の中は空洞ですね。空洞で、あそこの部分に同じように床があった場合は、そこは地下と見なして、0.2ではなくて0.1で設計していいわけです。地盤がどこにあるかということが問題ではなくて、地下が実際にどれだけ硬いものになっているかということのほうが大切です。』

これは座長の質問にまともに答えていない。『0.2なら杭がアウトとは言えない』ので盛んに0.1だと主張している。硬ければ地震力(慣性の法則)が半減するなどは、物理法則を無視した論理である。


(結論)
小島座長『議論は整理されました。最終的には法律の問題ですから、それは法令の担当が判断すればいいということですね。』で継続審議に決定。
(議事録参照)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt-kaigi03rokuga.html


なお、高野氏が計算結果を公開(2017.02.26追記)
『豊洲市場 ピット層の震度kが0.1を越えるとどうなるのか
16%以上検定比が増えると言うことは、元の計算書では全661本の杭の中で最小の検定比でも0.86でしたから、一次設計で全滅しそうですね。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835431834896879616
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835621616553897984

(8)第3回専門家委員会(12月10日)で、都が都議会で『豊洲は安全』と勝手に答弁したことへの疑義表明があり、都の釈明が求められた。

市場長の釈明
第3回専門家会議冒頭、村松市場長、都議会への報告について
①「12/2特別委員会、私どもは、土壌汚染対策法の求める措置は的確に講じていることを述べた上で本来の盛り土部分が地下ピットになってる状態の安全性、また補助315号線の土壌汚染対策の有効性や地下水の状況等について、現在
https://twitter.com/slightsight/status/807938864962646016

②「→専門家会議において検証していただいており、その結果に対し適切に対応していくと答弁した」
「また、豊洲市場の主要な施設については建築基準法に基づく安全性が確認されたものと認識しており今後建築物の主要な構造部分の変更を行うことは想定していない、とその旨の答弁もしている」
https://twitter.com/slightsight/status/807939375858225152
まだPTで継続審議中であり、市場長の越権行為である。


また一般出席者で1級建築士である水谷氏と建設技術担当部長とのやりとりにも、PTで継続審議中の88条地震力算定疑惑が提議されていることを敢えて無視した『安全宣言』であったことが判明した。

水谷氏の疑問に対し、建設技術担当部長:
①「市場問題PTの構造上の安全性について、確かに設計時の構造解析モデルに疑問を持つ委員の方もおられたが、その委員も最終的な構造上の安全性の判断は建築主事がやるものだと発言されている」
https://twitter.com/slightsight/status/807942968594137088

②「日建設計の構造設計については既に建築主事が問題ないという判断をしている」 「その面で我々は構造上の安全性についてPTにおいても確認されたと認識している」
https://twitter.com/slightsight/status/807943193442406401

③水「4階の荷捌き室の固定荷重について間違った数字を入れて計算した件で、改めて出し直しするか軽微な変更でいいのかどうかの段階で止まっている。主事がいいと言ったという結論にはなっていない」
Y「その手続きも既に終わっているので、そういう認識で判断している」
https://twitter.com/slightsight/status/807944777844932608

④水「PT会議で継続するという話になっているが、報告しないのに先に公表していいのか。手続きがおかしいのでは」
Y「手続きを行いますということは報告している」
https://twitter.com/slightsight/status/807946111197409280

⑤水「行って主事がそれでいいという結論が出るまでは、先に情報をポロポロ出すのはどういうことなのか。PT会議をないがしろにする話だ。都知事は良いと?」
Y「あくまでPTでは、構造解析モデルについては色んな議論があるということで、スラブの厚みと積載荷重はPTで整理していただいたと我々は考えている」
https://twitter.com/slightsight/status/807948662357639168



(9)構造計算疑惑はすべて杭の縛りから?

(フィクションです)
種々の断片情報から、ストーリをつないでみました。
ほとんどは構造計算で杭の耐力不足が発生し、建物軽量化との苦闘場面

1)工期タイトで、設計のかなり早い時期に杭を先行手配し抑える
2)地下空洞対応のため基礎部の重量増大>地震力で杭もたず
でも杭は先行手配済で、杭のランクアップ変更できず
3)SRC梁をS梁にして軽量化>地震力で杭もたず
4)層間変形角を犠牲にして、SRC柱を軽量化
同時に断熱効果をあきらめ、壁を軽量化>地震力で杭もたず
5)床積載荷重を減らして軽量化
6)地下外周の構造壁をはすして擁壁にして建物からはずし軽量化
(この時点で地盤面・水平震度矛盾発生>2条・88条違反)
7)地下の床コンクリート・地中梁を外し軽量化>地震力で杭もたず
8)防水抑えコン厚1cm誤記(悪魔の禁じ手)>やっと杭がOK
9)建築基準法施行令88条地震力で基礎梁部の水平震度0.1のまま
10)東京都震災対策条例施行規則で杭の用途係数1.25未達のまま

上記8)を実証する高野氏の計算結果を紹介(2017.02.11追記)
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835620989283127296
豊洲市場 押えコンを誤魔化す理由 杭の断面算定で検定比をクリアするため ※ただし杭の検討は重要度係数1.25に未対応



(10)年末に検査済証が発行されているのが判明しました。(2017.1.17追記)

第3回PTでの結論『法令の判断に託す』とされていたのに、御用納の日にこっそりと検査済証が発行されました。
(出典)http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/274731d1f9b28a68732ad71099b656f7

『法令担当の判断』とは、建築主事単独の判断で、クロスチェックは実施されなかったみたいです。
さて、このあとの舞台は都議会での真相究明か、建築審査会に移行するのか?



(11)日建設計提出資料で、地震力にスケールが入っていなかった謎が解けた。
(2017.02.02追記)

図は日建設計が第2回PTに提出したもの。(前述)
変位量などはスケールが入っていたのに、地震力はそれが入っていない。
(出典)http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt02/04_1nikkennshiryou.pdf

これに対し、高野氏が基礎梁層の地震力を、既知のQ1を基準にしてスケールを追記して推定計算すると、218x10^3(kN)となり、水平震度k=0.14付近を使用していると見ることができる。
k=0.2を使用するとQf=254x10^3(kN)となり、構造計算で使用している193x10^3(kN)の1.32倍の地震力が基礎杭に印可さる。 これでは杭が持たない。
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/824357001710891008

高野氏曰く、
『基礎梁の中心レベルでの起振はそのレベルでの地盤拘束がないとしているので不可能ですよ。現実の物理的にはフーチング下端で起振されるのですからフーチング層が施行令で決められたベースシェア0.2。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/826805955052515328

『振動の性状をみれば、日建さんのグラフのように0.1より遙かに大きな深度になっているのは明らか。かれらグラフに目盛り(数値)入れなければわからないと思ったのかもしれませんが、アタマ隠して尻隠さずです。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/826809022028222466


(2017.02.26追記)
さらに高野氏が詳細に該当図を検討し、結果を追加公開。
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835620116221976576



高野氏いわく、『せっかく計算した日建設計のモーダル結果の地震力グラフ。 なぜ横軸に目盛と単位がないのか? それは5層モーダルの結果はスケール縮小したので、4層と共通の目盛が使えないから。』
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/835636603829661697



(12)新たな耐震性疑惑>(都条例)重要建築物に適さない?
(2017.02.11追記)

豊洲市場は、東京都震災対策条例で指定された重要な建物=中央卸売市場に該当する。

(重要建築物の耐震性等の強化)
第十七条 知事は、次に掲げる防災対策上特に重要な建築物について、耐震性及び耐火性の強化に努め、又は当事者をして努めさせなければならない。
一 震災時に消火、避難誘導及び情報伝達等の防災業務の中心となる消防署、警察署その他の官公庁建築物
二 震災時に緊急の救護所又は被災者の一時受入施設となる病院、学校その他これらに準ずる建築物
(出典)http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010173001.html

東京都震災対策条例施行規則
(重要建築物の種類)
第八条 条例第十七条第一号のその他の官公庁建築物は、次に掲げるものとする。
一 消防署、警察署、都の本庁舎、地域防災センター及び防災通信施設
二 建設事務所、東京港建設事務所、東京港管理事務所及び空港管理事務所
三 治水事務所
四 都立葬儀所
五 保健所、浄水場、給水所及び下水処理場
六 防災備蓄倉庫及び中央卸売市場
七 災害対策住宅及び職務住宅
(出典)http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010174001.html

東京都の構造設計指針(財務局)で、上記の都立公共建築重要な建物の用途係数(設計上の安全係数)は1.25と定められている。
5.1.2 用途係数
(1)東京都震災対策条例第17条に基づく建築物や多数の者が利用する建築物など、防災上の重要度に応じて、以下により用途係数を適用する。
(2) 用途係数は表5.1の分類による。
(出典)http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/kentikuhozen/kouzousekkeisisin.pdf

安全係数と考えると、杭の検定比=1/1.25=0.8以下が必要になる。
豊洲市場の場合、日建設計の構造計算では、大部分の杭は検定比0.9~1.0で、都条例から逸脱した建築物になる疑惑がある。
(1)~(11)までの疑惑記述が否定された場合でも、疑惑として残るものである。

なお、高野氏が情報開示請求で取得された構造計算書における、杭の検定比が大きなことを示す画像を添付する。(4枚)
(出典)https://twitter.com/a_la_clef/status/804835946260668416





以上の詳細は以下に記載します。
【豊洲市場は用途係数で都条例違反?・卸売市場として使用不可能では? 】
http://kimikodover.blogspot.jp/2017/02/blog-post.html


(13)高野氏からの補足説明

通常の建物は①または①’で、領域Ⅰが地上で層せん断力係数の変化がAiで略算される。領域ⅡとⅢが地盤中で領域Ⅱが地下震度の適用範囲。 ②が豊洲の状態で、領域Ⅱが新しい盛土層で建物を拘束しない。

②図を整理すると③図。 このとき領域Ⅱのピット層の剛性と質量が過大ゆえに、領域Ⅰに対してはあたかも岩盤的な地盤のように振る舞う。従って領域Ⅰの地震力は一般的な①と同様になるし、領域Ⅱは剛体に近いから日建設計のXYで変わらないというのは正しいと思います。

しかし、実際の地盤である領域Ⅲからみた領域Ⅱのピット層は(拘束を受けず)自由に動ける慣性力を受ける人工の構造物で、施行令ではその慣性力はCo=0.2を基本に取れといっているわけです。 杭頭は領域ⅢとⅡの境界ですから、領域ⅠⅡの慣性力に対して抵抗することになります。

②を③図のようにみなせるなら、領域Ⅱにおいては①図のように外周地盤に地震力が逃げていくことはないので、低減はないはずです。

少しおまけできるとしたら、ピット層の下側の領域Ⅲに近い部分はⅢの地盤との摩擦もあるだろうから、そこは震度0.1でいいと思います。

(出典)
https://twitter.com/a_la_clef/status/861844810314928129
https://twitter.com/a_la_clef/status/861847241719402496
https://twitter.com/a_la_clef/status/861849778258296833
https://twitter.com/a_la_clef/status/861850861604970496
https://twitter.com/a_la_clef/status/861854476465917952

(1)地面下のことには目を瞑って建物重量に働く慣性力を設計外力とみる立場
(2)地盤からの振動が基礎から入力されて、それぞれの部位の剛性・質量の相互関係から応答変位・加速度を考えるの立場

震度法は(1)の立場ですね。

この立場からは地下は、拘束される、または地震力が外周(地盤)に逃げる、といった表現をし、地表面以深は0.1を基本にして深さに従って拘束が強まりその分、より地震力が逃げていくということで小さくしていきます。
(2)の立場ならば、最初に低減ということではなく、地盤との間に水平のバネを設定しての解析になります。
https://twitter.com/a_la_clef/status/862435496076525568
https://twitter.com/a_la_clef/status/862436999738695680



5月15日段階は以上の通りです。
今後追加や訂正があれば、その都度変更していきます。

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2016.11.26 (6)を追記
2016.11.26 (4、6)都は『地盤面は地下ピット床面と認識していた』を追記
2016.11.27 (6)に『緊急解説!!豊洲市場の構造設計に疑義アリ』の記事関連追記
2016.11.27 (1)に施行令第2条2項『高さの判定:地盤面』を追記
2016.11.28 (1)の1枚目の図(各部変形量:日建設計資料)を追記
2016.11.29 (4)に令第1条と地下、地階、地下室関連を追記
2016.11.30 (1)に建物外周の隙間図面を追記
2016.12.01 (7)に振動性状に関して追記
2016.12.02 (7)に高野氏疑問提示を図を追記
2016.12.12 (8)第3回専門家委員会での内容を追記
2016.12.13 (9)を追記
2016.12.15 (7)正式議事録を参照して一部修正追記
2016.12.16 (7)高野氏の意見書を追記
2017.01.17 (10)検査済証関連を追記
2017.02.02 (11)地震力にスケールが入っていなかった謎を追記
2017.02.11 (12)新たな耐震性疑惑>(都条例)重要建築物に適さない?を追記
2017.02.25 (12)に日建設計の構造計算書記載の杭検定図を追記
2017.02.26 (11)高野氏の追加詳細を追記
2017.02.26 (1)高野氏の作成図を追記
2017.02.26 (7)高野氏の接触面積計算図・震度0.2の場合を追記
2017.02.26 (9)高野氏の計算結果を紹介
2017.03.13 (9)杭の縛りに9)10)を追記
2017.05.12 (13)高野氏からの補足説明を追加
2017.05.15 先頭に要旨を追記
2017.05.16 先頭に要旨に地盤面を追記し修正